ふるさと納税は地域を支援する素晴らしい制度ですが、手続きが複雑で面倒だと感じる方も多いのではないでしょうか?
『自己負担額』『控除限度額』『ワンストップ特例』などの聞き慣れない用語が並び、ハードルが高いと感じるかもしれません。
「ワンストップ特例」と「確定申告」という二つの方法があり、どちらが自分に適しているのか迷ってしまうこともあるかもしれません。
このような理由から、手続きがわかりにくく、「めんどくさいから今年はいいや」と先延ばしにしてきた経験がある方もいますよね。
さらに、ふるさと納税を始めても利用条件を守っていなかったり、手続きに不足があったりすることもあるかもしれません。
そこで、今回はふるさと納税をする初心者の方に向けて、損しないためのふるさと納税のやり方を詳しく解説します。
分かりやすく3つに分けてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ふるさと納税は納税者にとって非常にお得な制度です。応援したい自治体に寄付するだけでなく、返礼品をもらえるだけでなく、税金の控除も受けられます。
記事を読んでわかること:
この記事では、ふるさと納税の手続きをスムーズに行うための方法について詳しく解説します。まず、ふるさと納税の寄付のやり方を3ステップで解説します。
そして、ワンストップ特例制度と確定申告の違いやそれぞれのメリットを明らかにします。さらに、手続きの具体的な手順や必要な書類についても分かりやすく説明します。
これにより、ふるさと納税を利用して地域を応援したいと考えている方々が、スムーズに手続きを進める手助けとなるでしょう。
記事を読むメリット:
この記事を読むことで、ふるさと納税の手続きが一層身近に感じられるはずです。自分に最適な方法を選ぶための情報が豊富に盛り込まれていますので、手続きの際に迷うことなくスムーズに進めることができます。
地域を支援する喜びを存分に味わいながら、お得な控除を受ける方法を身につけましょう。ふるさと納税を通じて、あなたの応援が地域にとって大きな力になることを実感できるでしょう。
ふるさと納税のやり方を3ステップで紹介!
ふるさと納税の手続きを3つのステップでご説明します。
ふるさと納税の手続きは非常に簡単です。企業が提供するふるさと納税専用サイトを利用すれば、ネットショッピングと同じように寄付を行えます。
ただし、事前の準備や申し込み時の注意点など、押さえておくべきポイントがあります。特に、控除限度額の計算やワンストップ特例申請などの制度はしっかり理解しておくことが重要です。
これらのポイントを押さえながら、ふるさと納税の手続きを3つのステップに分けて詳細に説明します。
ステップ1:控除限度額の計算
ふるさと納税を行う前に、自分の控除限度額を確認しましょう。なぜなら、控除限度額を超えて寄付を行うと、自己負担額が増加する可能性があるからです。
控除限度額とは、ふるさと納税制度を利用して税金から差し引くことができる最大金額のことです。この金額は、自分の収入や他の所得控除の状況によって決まります。※正確には(控除限度額−2,000円)が控除できる最大金額を指します。
自分の控除限度額を確認する方法は、総務省のふるさと納税ポータルサイトに記載されています。また、収入と家族構成に応じた控除限度額の目安を示す早見表も用意されていますので、参考にしてください。
ただし、注意すべき点は、早見表は目安であり、扶養家族や所得控除の状況によって実際の控除額が異なる場合があるということです。また、正確な控除限度額を計算するのは簡単ではありません。このため、控除限度額算出シミュレーションが役立ちます。
シミュレーションを利用すれば、自分の収入や扶養家族の有無、他の所得控除の状況を入力するだけで、控除限度額を自動的に算出してくれます。
ふるさと納税サイトには、こうしたシミュレーションのページが用意されています。サイトごとに入力できる情報に若干の違いがあるため、自分の状況に合わせたページを利用してみてください。
参考までに:かんたんシミュレーター
楽天ふるさと納税のかんたんシミュレーターでシミュレーションできますよ。
注意点:
なお、ふるさと納税を行うべきではない場合もあります。以下のケースに該当する場合、ふるさと納税を行っても損をする可能性があります。
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所得税や住民税が非課税の場合:控除すべき税金がないため、ふるさと納税のメリットを受けられません。扶養内で働いている方や自営業で赤字の見通しの方などが該当します。
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年収が一定水準以下の場合:所得税や住民税を納めていても、税金が一定額以下の場合、差し引くことができる金額が小さくなり、ふるさと納税のメリットが受けられない可能性があります。
具体的には、控除限度額が10,000円以下の場合に注意が必要です。返礼品は寄付した金額の最大3割相当なので、10,000円以下の寄付だと返礼品の価値は約3,000円以下になります。自己負担額の2,000円は収入で変動しないため、この場合には大きなメリットがないと言えるでしょう。
ステップ2:自治体と返礼品を選ぶ
寄付を行う際には、企業が運営するふるさと納税サイトの利用がおすすめされます。
ふるさと納税サイトの利用にはメリットが3つあります。
メリット1:探しやすい
自治体や返礼品を探す方法には以下のやり方があります。
- 自治体から探す
- 人気の返礼品から探す
- 寄付金の使途から探す
- 寄付金額から探す
メリット2:支払い方法が豊富
クレジットカード以外にも、スマホ決済やオンライン決済などに対応しているサイトも多くあり、手軽に寄付ができます。
- 銀行振り込み
- クレジットカードなど
※サイト内で利用可能な決済方法であっても、自治体や寄付金額によっては利用不可の場合もあります。
メリット3:独自の特典がある
寄付した金額に応じてポイントやマイル、ギフト券の付与を行うサイトもあります。また抽選キャンペーンやサイト限定の返礼品など、他にも多くの特典が用意されています。
自治体や返礼品の探し方
実際にふるさと納税サイトで納税する自治体や返礼品を探してみましょう。
- 人気の返礼品から探す
多くのふるさと納税サイトでは、人気商品をランキング形式でまとめています。トップページの『人気ランキング』から人気ランキングやリピーターが多い品を検索できます。
- 地域から探す
寄付を受け付けている自治体や返礼品を探しましょう。都道府県や市区町村で絞り込んで検索できます。
- 寄付金額から探す
控除限度額に合わせて返礼品を選ぶ場合は、寄付金額の範囲を指定する検索方法が役に立ちます。
他にも寄付金の使途からの検索やキーワードを具体的に指定して検索することもできます。ぜひ好みの検索方法を利用してみてください。
自治体や返礼品を選ぶ際のポイント
ふるさと納税に参加している自治体の数や返礼品の種類はとても多いため、どれを選べばいいのかと頭を悩ませることもあるかもしれません。そこで選ぶ際のポイントをまとめましたので、ご覧ください。
- お世話になった自治体や応援したい自治体から選ぶ
- 自宅の保管場所を考える
- 人気返礼品は食品系。長期保存が可能な冷凍品も多く用意されている
- 贈り物として選ぶこともおすすめ
- 家具や家電、体験型の返礼品もある
ステップ3:寄付の申し込み手続きと返礼品の受け取り方
寄付をする自治体と返礼品が選ばれれば、次は申し込みの手続きです。ただし、いくつかの注意点がありますので、詳細について解説します。
ワンストップ特例申請の有無を選択する
ふるさと納税では、寄付後に税金控除の申請が必要ですので、基本的に確定申告が必要です。
ただし、多くの給与所得者や会社員などは確定申告を行う機会がない場合があります。そのため、特定の条件を満たせば確定申告せずに控除申請ができるワンストップ特例制度があります。
利用できる条件は以下の通りです。
-
1年間(1月1日から12月31日まで)に寄付した自治体が5ヶ所以内であること
-
他の理由で確定申告する予定がないこと
寄付の申し込み時には、ワンストップ特例申請書の送付を希望するかどうか問われることが多いです。条件を満たして送付を希望する場合は、そのように選択しましょう。なお、ワンストップ特例申請書は他の方法でも入手可能です。
ワンストップ特例申請後に確定申告をしても問題ありません
ふるさと納税のワンストップ特例申請を行った後でも、医療費控除や住宅ローン控除を受けるためには確定申告が必要な場合があります。
特に自治体などへのワンストップ特例申請を取り消す必要はありませんので、そのまま確定申告を行いましょう。
ただし、重要な点がひとつあります。
それは、ワンストップ特例申請が確定申告によって無効化されるということです。つまり、ワンストップ特例申請と確定申告は同時に行うことはできません。したがって、確定申告時には改めて寄付情報を記載する必要がありますので、忘れずに行いましょう。
返礼品の到着を待つ
寄付の申し込みからしばらくすると、返礼品が届きます。
品物によっては、発送タイミングが異なるため注意が必要です。
例えば人気が集中している返礼品や収穫時期が限定されているフルーツなどは予約商品となり、発送が数ヶ月先になることも珍しくありません。
寄付金受領証明書が自治体から届く
寄付金受領証明書は、寄付を受け取ったことを証明する書類です。
寄付先の自治体から寄付完了後、1週間から1ヶ月半ほどで自宅に届きます。確定申告時に必要になる場合があるので、大切に保管してください。
控除手続きの重要性と方法の解説
忘れると意味がない控除のための手続きを解説します。
ふるさと納税手続きは寄付だけでなく、税金からの控除を受けるための申請も不可欠です。この申請を怠ると、税金控除の対象から外れてしまいますので、注意が必要です。
控除手続きには、以下の2つの方法があります。
- ワンストップ特例制度を利用する
- 確定申告を行う
通常、確定申告が必要ですが、特定の条件を満たす場合はワンストップ特例制度を利用できます。
最近では、スマートフォンを使って確定申告を完了させることも可能になり、経験が浅い会社員の方でも比較的スムーズに申告を行えるようになっています。
どちらの手続きでも基本的に控除額に差はありません
ワンストップ特例と確定申告、どちらの方法を選んでも基本的に税金からの控除額に大きな違いはありません。
ただし、ワンストップ特例と確定申告では控除対象の税金が異なるため、住宅ローンを利用している場合など、状況によっては多少の違いが生じる場合があります。
しかし、ほとんどの場合、控除額に大きな差は生まれないため、基本的にはあまり心配する必要はありません。
ワンストップ特例制度を利用して控除を受ける方法
ワンストップ特例制度は、自治体に申請書を提出するだけで、確定申告を行わずに控除を受けられる便利な仕組みです。原則として、寄付した金額のうち2,000円を超える分の全額を翌年の住民税から控除できます。
手続き自体も非常に簡単ですので、さっそく手順を確認していきましょう。
申請書の入手方法
ワンストップ特例申請書は、主に以下の2通りの方法で入手できます。
-
寄付の申し込み時に自治体に送付を希望する
-
ふるさと納税サイトのマイページなどからダウンロードする
寄付の申し込み時にワンストップ特例を申請するかどうか決まっている場合は、迷わずに申請書の送付を希望するにチェックをしましょう。
送付の希望を忘れてしまった、あとからワンストップ特例を利用したくなったといった場合でも、寄付を行ったサイトのマイページなどからダウンロードできます。
申請書の記入と提出方法
申請書を入手できたら、住所や氏名、電話番号、寄付情報などを記入しましょう。
またマイナンバーも必要です。
記入が終わったら所定の本人確認書類の写し(免許証や住民票のコピー)を同封して、寄付先の自治体に提出します。ワンストップ特例申請書はたとえ同じ自治体への複数回の寄付であっても、寄付を行うたびに提出が必要です。
またワンストップ特例申請の期限は、ふるさと納税を行った翌年1月10日(必着)です。期限内に届かなかった場合は正しく手続きが行われないため、注意しましょう。
オンライン申請
ワンストップ特例申請がオンラインで可能な自治体もあります。
2022年から一部の自治体では、ワンストップ特例がインターネット上から申請可能となりました。オンラインワンストップ申請に対応したふるさと納税サイトや自治体マイページなどから利用できます。
書面の場合、寄付を行うたびに申請書を送る必要がありますが、オンラインのワンストップ申請であれば複数の自治体、複数の寄付に対して同時申請することができます。
他にも寄付情報の管理や寄付金受領証明書のダウンロード、引っ越しなどで住所が変わった場合の変更申請ができるなど、ふるさと納税をスムーズに利用できるための機能が充実しています。
対応自治体は続々と増えていますので、ぜひ一度利用してみてください。
確定申告を利用して控除を受ける方法
ワンストップ特例制度を利用しない場合は、確定申告が必要となります。
正しく確定申告すれば寄付金控除の適用が受けられ、寄付を行った年の所得税と翌年の住民税から控除(還付)されます。
確定申告には主に書面による申告とe-Taxというインターネットを通じて行う電子申告の2通りの方法があります。それぞれの手順について解説します。
書面による確定申告
書面によるふるさと納税に関する項目で、ミスが起こりやすいポイントを解説します。
①必要書類の準備
源泉徴収票と寄付金受領証明書を必ず用意しましょう。他の所得控除の適用を受ける場合には、それぞれ必要とされる書類も用意します。
②第一表の寄附金控除への記入
源泉徴収票の記載内容をもとに所得金額などを記入したら、「所得から差し引かれる金額」の寄付金控除の欄に自分が寄付した金額から2,000円を引いた金額を記入します。
③第二表の2か所への記入
第二表の2か所にも記入が必要です。第一表の寄附金控除への記入だけで提出しないように気をつけて下さい。
- 寄附金控除に関する項目
- 住民税・事業税に関する項目の「都道府県・市区町村への寄納(特例控除対象)」
注意点:この2か所は年間寄付金額をそのまま記入すればOKです。
2,000円を引いた金額ではないので注意してくださいね。
④書面での提出
税務署への持参または郵送で提出します。
本人確認書類のコピーなどと合わせて、必要書類の添付も忘れずに行いましょう。
e-Taxによる確定申告
e-Taxとは、申告データをインターネット経由で税務署に送信する方法です。書面での作成に比べてミスが起こりにくく、画面の指示通りに進めるだけで手続きが完了しますので、確定申告未経験の方でもスムーズに行えます。
①事前準備
インターネット環境、スマートフォン(パソコン)、マイナンバーカードをご用意ください。
マイナンバーカードを読み取るため、読み取りに対応したスマートフォンが必要です(※ICカードリーダでも可能です)。
またマイナポータルアプリのインストールとマイナポータルの利用者登録を済ませておくと、申告がスムーズに進みます。
②国税庁の確定申告書作成コーナーにアクセス
事前準備が完了したら国税庁の確定申告書作成コーナーにアクセスします。
『作成開始』ボタンをタップすることで、申告書の作成が始まります。
画面指示に従って進めましょう。
③寄付金控除の入力
収入などの入力を終えたら、寄附金控除の項目に入力を行います。
e-Taxの場合、寄付金控除の入力を行えば第二表の住民税に関する項目なども自動で入力されるため、書面に比べて記入漏れなどのミスをする可能性が低くなります。
ふるさと納税のやり方を3ステップで紹介! まとめ
初めての方がふるさと納税を行うやり方を3ステップで紹介しました。
ふるさと納税の手続きには、ワンストップ特例制度と確定申告の2つの方法があります。
ワンストップ特例制度は自治体に申請書を提出するだけで、確定申告を行わずに控除を受けられる便利な制度です。
確定申告は、寄付した金額のうち2,000円を超える分の全額を翌年の住民税から控除できます。
ワンストップ特例制度を利用する場合は、自治体に申請書を送付するか、ふるさと納税サイトからダウンロードします。
申請書は、寄付先の自治体に提出し、寄付金受領証明書の写しと合わせて提出します。申請期限は翌年の1月10日までです。
一部の自治体では、オンラインでの申請も可能です。
確定申告を行う場合は、書面による申告とe-Taxを利用する方法があります。
必要な書類を準備し、寄附金控除の記入や確定申告書の提出を行います。
e-Taxを利用する場合は、インターネット経由で手続きを行います。
どちらの方法で手続きしても、基本的に控除額には大きな差はありません。
確定申告は、ミスが起こりにくいe-Taxを利用することで、スムーズに行えます。
これにより、ふるさと納税を通じて地域を支援する手続きを効率的に行うことができます。
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